[マンガ感想] みなみけ 第192話 「気まぐれ」
週刊ヤングマガジン2012年No.12に掲載されている「みなみけ」第192話『気まぐれ』の感想です。
マンガの内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
第192話 『気まぐれ』 ストーリー&感想
単行本第⑨巻まで発売しています。気まぐれで買ってください。
書店員さんの気まぐれで
単行本を置いてない店もあるかと思います。
その際は注文してください。
(扉ページ[P.345]のアオリ文)
いい加減な内容なので、気まぐれで読んでね。
(扉ページ[P.345]の柱文)
3姉妹が気まぐれに行動して、適当なことを言っていると、どんなことになるのかな?
(2ページ目[P.346]の柱文)
- はい、ご覧のとおり、今回もアニメ化の続報は無し。第9巻(初回限定版)ドラマCDで発表されてから かれこれ3ヶ月半経過しているので、ファンにとっては実にもどかしい。大部分の人が知りたいのは アニメスタッフの人選ですよね。それだけでも、ほのめかしてくれればなぁ・・・。もっとも、小生はけっこう楽観視していたりする。理由は2つあり、1つ目は第8巻と第9巻のドラマCDで脚本を担当していたのが、「みなみけ」アニメ1期に携わっていた鴻野貴光氏である点。普通に考えれば、ドラマCDだけに限定した起用とは思えない。これでもしアニメ4期の脚本家が2期・3期と同じになったなら、ヤンマガの編集さんは とんでもないドSだ(笑)。2つ目は講談社がアニメ製作に直接乗り出すというニュース。講談社の直接関与が高まれば、今までスタチャにほぼ丸投げであった製作(プロデュース)に、編集部の意向が強く反映される可能性が高い。鴻野氏の登板は それの布石ではないかと思うのですよ(キリッ。
- 閑話休題。今回のストーリーは「気まぐれ」をテーマに、小気味よくも淡々と物語が進む構成になっている。1つのフレーズ(単語)を駆使し、その流れで「くすり」とした笑いを誘う展開。これは「みなみけ」では時々見られる手法で、最近のエピソードでは吉野ちゃんに焦点を当てた第174話「謎です」がそうだ。

- とある日の南家リビングルーム。カナとチアキが見ているTV番組で、「シェフの気まぐれサラダ」なる料理が話題になっている。「うまそうだなー」と好意的な意見を述べるカナ。チアキは「気まぐれで料理を付くってほしくない」と、実に対照的な反応を示す。物語とは直接関係ないけど、姉妹の座る位置はちゃんといつも通りですな。TVの真正面がチアキ、その左隣がカナという設定。日常系作品では、こういったさり気なくも細かいコダワリが重要だと思うのですよ。
- ハルカ姉さまが晩ごはんを持って登場。今夜のメニューは「気まぐれお好み焼き」なる料理だった(右図参照)。一口食したカナは、お好み焼きの材料が残りもの(昨日余ったちくわ等)であることに気付き、ご不快のご様子。一方、今さっき 気まぐれ料理に異論を唱えていたチアキは、「美味しいです」と称賛。その身代わりの早さを見て、「お前 気まぐれ反対派だろ?」とツッコミを入れるカナ。気まぐれ反対派のチアキが、気まぐれで態度を豹変したように見えるが、ハルカを崇拝してのことなので、決して気まぐれではない。キャラ紹介文でも解説されてるけど、見方によっては非常にややこしい!
- そんなことがあった後日。カナの行動は気まぐれまみれとなる。日曜昼の気まぐれ起床(目覚まし無し)に始まり、気まぐれくつ下(左右違う柄)、気まぐれ歯みがき(下の奥歯ばっかり)と、気まぐれ三昧。単なるずぼらに見えなくもないが、カナ的には気まぐれらしい。そんなカナに向かい、「お前の気まぐれは ろくなもんじゃないね!」と手厳しい言葉を浴びせるチアキ。裏を返せば、ハルカ姉さまの気まぐれは良い気まぐれということか。
- この日、ハルカ姉さまはお出かけで、昼食はカナとチアキで用意することに。ハルカ姉さまの行き先は明示されていないが、日曜だからマキやアツコと遊びに行ったのかな?この話をアニメ化する際には、是非その設定でお願いします。m(_ _)m
▊ 気まぐれはいいものだ

- 気まぐれなカナは率先して料理作りに着手。そして出来上がったのが「気まぐれシェフの気まぐれサラダ」。気まぐれ×2というネーミングだけど、中身は かなり確信犯的だ。何しろ緑・黄・赤のピーマンを7対2対1の割合でブレンドした10割ピーマンだったのだ。これはヒドイ! やるな策士!
- チアキは涙目で抵抗の意志を示していたが、突如として気まぐれが発動!嫌がらせのピーマン10割サラダを箸でひとつまみすると、もごもごと噛みしめ、そのまま飲み込んでしまったのだ・・・(右図参照)。気まぐれとはいえ、自分の意志でピーマンを食べるのは初めてじゃないか。チアキとピーマンの因縁は下記のとおり。
- 第34話「負けてしまえ」 ピーマンを残してハルカ姉さまに怒られる
- 第53話「誰だっけ」 髪をつかまれてピーマンとか食べさせられる夢を見る
- 第137話「一番えらい」 BBQ大会でナツキにピーマンを食べさせられる
- 第170話 レッツ お野菜」 催眠術にかかり、スーパーで大量の野菜をカゴに入れる
- ハートウォーミングな雰囲気で盛り上がっていたところ、唐突にタケルおじさんが登場。近所まで来たついでに立ち寄ったもよう。約4ヶ月前のハロウィン・パーティー以来の顔見せだ。タケル登場の法則※を適用すると、次に南家マンションを訪れるのは、単行本・第11巻の範囲となる第198話以降になりそう。
- 編集さんの気まぐれで、ページ下の欄外にタケルのキャラ紹介が載ってて吹いた(笑)。要注目なのは、タケルとレイコさんの関係に関する言及だ。最近はレイコさんのことを話題にしないので、未練を断ち切ったと推測している。最後にケイコさんの名前が出て来たのは第167話 「もらって」なので、当たらずとも遠からずといったところか。
- タケルは手土産としてあの店のプリンを持参。チアキからは「気まぐれおじさん」の称号を授かり、カナからは「ナイス気まぐれ!」と褒め称えられる。そしてほぼ同時に、ハルカ姉さまが帰宅。こちらはあの店のドーナツを買ってきたという。ちなみに、これまで「みなみけ」に登場しているスイーツ店と商品は次のとおり。
- 第57話「ケンカでも」 駅前の角のあの店のプリン
- 第121話「やる気」 あの店のチョコ
- 第139話「だらだら」 駅前の交差点に新しい甘いものの店(あの店)のケーキ
- 第176話「余った」 例の店のドーナツ
- そんなこんなで月曜日。まだまだ続くよカナの気まぐれ。気まぐれ早起き、気まぐれに髪をなびかせ、気まぐれな気遣いと、日曜日とは打って変わって「良い」感じの気まぐれだ。ツインテールを解いたカナを見て、胸キュン状態の藤岡君。気持ちはよく分かるぞ! カナが髪型を変更するは けっこうレアだけど、直近では第161話「わかったぞ」の二つ結び(低い位置で髪を束ねる髪型)がある。ストレート髪は今回が初めてではなく、第17話「つきっきり」で披露済み。
- 最終ページは高校が舞台で、最近ワンポイントリリーフが多い保坂が登場。今回はオチ要員だ。そして保坂といえば定番の料理ネタ。深刻そうな表情で「この間 気まぐれに作ったサラダの味がどうしても再現できないのだ!」という悩みをぶちまけている。で、味もレシピを思い出せないのに「保坂の幻の気まぐれサラダ」と命名しやがります。モヤモヤしたモノに名前を付けることで、そのモヤモヤが解消することはあるけど、これはどうなんだろう?却ってモヤモヤしないか?速水が助言しているように、忘れた方がいいような気がする(笑)。
コハル先生が気まぐれで描いたらこんな話になりました(気まぐれでいつもと違う書体を使ってみました)。柱文に使われている書体はモリサワの新丸ゴかな。スペースの都合で少し平体が掛かってるけど、「い」という文字のデザインが特徴的だし。(最終ページ[P.352]の柱文)
次回掲載号
次回掲載は3/5発売号。掲載日は気まぐれで変わりません。ということで、次回の「みなみけ」はヤンマガ3月5日発売号(No.14)に掲載されます。
(最終ページ[P.352]の欄外より)
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関連サイト
■ ドラマCD付き「みなみけ」限定版公式サイト (講談社 特設サイト)■ みなみけ (StarChild アニメ公式)
■ みなみけ (Wikipedia)