[アニメ感想] ゼーガペイン - ZEGAPAIN - 第20話 「イェル、シズノ」
第20話 「イェル、シズノ」

あらすじ
第20話のあらすじ、主要スタッフはアニメ公式サイトから引用しておきます。
脚本:村井さだゆき 絵コンテ:杉島 邦久 演出:雄谷 将仁 作画監督:鎌田 祐輔(キャラ)、有澤 寛(メカ)
爆発に巻き込まれて木っ端微塵に吹っ飛ぶ舞浜サーバー。「守ってやれなかった、あいつらを……ちくしょぉーっ!」と絶叫するキョウだが、次の瞬間、サーバーもろとも消滅したはずの舞浜の仮想世界に転送されていた。そこでシズノやルーシェンたちと合流し、シマから事の真相を聞かされるキョウ。
実は、アンチゼーガ・コアトリクエに破壊された舞浜サーバーはダミーで、なんと本物は月面にあるという。そして、月にはガルズオルムの本拠地・ジフェイタスも存在するのだ。
オケアノスではコアトリクエから奪ったデーターの解析が進められるが、不意にシマの体に異変が起こり、ルーシェンは極秘調査によってシマ&シズノに「量子サーバーに入る前のプロフィールがない」ことを知る。
ストーリー&感想
月面に密かに建設されていた舞浜サーバーより、守凪了子はアルティールに転送される。アルティールの幻体バッファに残された感情データにより、幻体データが再構築され、守凪了子はセレブラント カミナギリョーコへの覚醒を完成させるのだ!
前回に引き続き、くだらない前口上で失礼しやした(笑)。元ネタは カミナギ、ミナト、シズノ、ディータ、トミガイの中の人が出演しているこの作品のこのシーンであります。
Aパート

※キャプチャ画像はテレ東で放映された時のものです(以下同様)
▊ 舞浜サーバーの真実
第20話の冒頭は 前バージョンのキョウとシズノ※の出会いを描いている。時期はホロニックローダーの実戦配備直後で、場所はオケアノスの格納庫。なぜか涙を流しているシズノに向かい、キョウはパートナーとなった件を伝え、名前を尋ねるが・・・。
※今回のBパートで明かされているとおり、この時のシズノには「シズノ」という名前は無かった。
サブタイトル表示後、時間軸は現在に戻る。シンとアビスの攻撃により、大爆発を起こして消滅した舞浜サーバー。それを目の当たりにして号泣するキョウとカミナギ。ところが、アルティールのコックピットから転送されたキョウの目に飛び込んできたのは、何事もなくたたずむ舞浜の街並みだった。予想外の状況に戸惑うキョウ。するとそこにルーシェンやシズノ、シマたちが現れる。一堂に会したオケアノスのクルー(カミナギを除く)を前に、真実を語り始めるシマとシズノ。曰く・・・
- 舞浜サーバー内のデータは、ずっと以前に より安全な場所に移動した。
- クルーに知らせなかったのは、味方に動揺が走ることを危惧したため。
- この偽装作戦が使えるのは たった1度きりなので、失敗は許されなかった。
- そして新たなサーバーは、シマとシズノによって月面に構築されていた。
月面にデータが移されたと聞き、メイウーたちクルーの間に衝撃が走る。なぜなら、月はガルズオルムの支配下にあり、活動拠点であるジフェイタスがあるからだ。しかし そんな中、ルーシェンは「確かに月面が一番安全かもしれない」という見解を示す。理由はこうだ。かつてセレブラムとガルズオルムの間で月をめぐる攻防があり、その戦いでセレブラムは敗北。人類を月から一掃したガルズオルムは、その後、主要拠点を地球上に移し、現在の月面には古い意志決定機関しかない。つまり、灯台もと暗しということ。敵の盲点を突く、いかにもシマらしい発想だ。もっとも、ジフェイタスの防衛機能は生きていて、万が一 サーバーが見つかったら一巻の終わりであることに変わりはない。
破壊された舞浜サーバーがダミーであった件は、キョウを介してカミナギにも伝えられた。ただ、カミナギは舞浜サーバー内では驚きと喜びの感情を出せず、アルティールのコックピット内で、改めて自分の気持ち口にする。一方、アルティールが偵察任務に就いていた頃、オケアノスではシマとドヴァールカーのイゾラ司令の通信会談がとり行われていた。シマはハッキングで入手した敵のデータを解析中である件、今後の最終作戦の件を伝える。
▊ ルーシェンの疑念
ここ一連の出来事で、シマとシズノに対する疑念をますます深めたルーシェン。AIやシマに気付かれないよう、メイウー&メイイェン姉妹と伴にガルダのコックピットに入り、シマたち経歴を検索する。しかし、シマとシズノの量子サーバーに入る前のプロフィールは存在していなかった。つまり、幻体になる前、生身の人間だった頃のデータが無いことになる。更に第17話で シンがシズノのことを「イェル」と呼んでいた件もあり、ルーシェンはガルズオルムと関係を疑う。また、メイウー&メイイェンは「イェル」という呼称が「IAL」の読みと似通っていることに気付くが・・・。
▊ カミナギとシズノ
この世界の無限ループから抜け出す方法を、悶々と考えるキョウ。感情を失いながらも、キョウにカメラを向け撮り続けるカミナギ。そして、そんな二人を見守るシズノ。そんな微妙な三角関係の中、カミナギは感情が無いことを逆手に取り、シズノにキョウとの関係を尋ねる。シズノは前バージョンのキョウとの思い出を語り、今でもキョウのことを好きだと言う。それを聞いたカミナギは、それ以上問いただすことはせず、立ち去るシズノを黙って見つめるのであった。
☞ 舞浜の街頭大型ビジョンのニュースに、例によって現実世界とリンクしたニュースが流されていました。

「本日、環境省は環境汚染の源泉ともいうべきIAL社の廃棄物処理プラントの位置を特定するデータを入手したと発表しました。このデータにはIAL社の最高機密が含まれており、解析には数日を要するとのことです」
(ニュースキャスターのナレーション)
環境省=セレブラム、環境汚染=生物としての人類滅亡、IAL社=ガルズオルム、廃棄物処理プラント=北極機関サーバー という実に分かりやすい置き換え。
☞ ジフェイタスに関しては ビジュアルファンブック」に解説が載っていたので引用しておきます。

ジフェイタス
ジフェイタス 【用語】
ガルズオルムの月面基地。セレブラムの侵攻を退けてからは、古い意志決定機関を残し、その主要施設の大半が地上へと移された。北極基幹サーバーとは巨大転送ポータルでつながっている。
(ゼーガペイン ビジュアルファンブック」の『WORD OF ZEGAPAIN』から)月から飛来する軍勢
ガルズオルムは月にあるIAL社の実験施設ジフェイタスを拠点としている。オルムウィルスの蔓延後は、幻体化した人々が暮らし、ナーガの唱える理想を実践するべく、さまざまな研究に従事している。その一部には地球環境のデーターを収集、保存する施設なども設けられている。
(ゼーガペイン ビジュアルファンブック」の『OUTLINE OF ZEGAPAIN』から)
ちなみに、第1話のアバンタイトルで、前バージョンのキョウが自爆していましたが、あの戦闘がセレブラムによる月面侵攻作戦とのこと。
☞ イゾラ司令がシマとの会談で「舞浜の施設には、あなたの命が・・・」と言いかけていた件。今回のBパート・ラストシーン(右腕にドライダメージを受けたシマ)に繋がっていたようです。相変わらず、さりげないセリフの中に、重大な伏線を潜ませるのが上手いッスね。
☞ キョウ、シズノ、カミナギの微妙な三角関係は、元を辿れば第7話のシズノが口にした一言――「あなたにとって彼は何?」――に行き着きます。今回のカミナギの問いかけは、シズノの質問に対するアンサーであると同時に宣戦布告ともとれます。ただ、カミナギは感情が無いし、シズノも表面上は大人の対応をしているので、ドロドロした展開にならなかったのは実に残念です。(゜o゜)ヾ(--;オイオイ...
Bパート

▊ コンビ復活~シズノとキョウ~
前回のループ同様、水族館を訪れてデートをするキョウとカミナギ。キョウは前回のデートのことを思い出し、苦笑いしながらカミナギに語りかける。一方、カミナギはシズノから聞いたことをキョウに伝える。キョウは気持ちがうわずり、おどけて誤魔化そうとするが、カミナギは何の感情も起きないと淡々と告げるだけだった。そして、そんなぎこちないデートの途中で、突然 オケアノスから招集命令が下る。
オケアノスはガルズオルムの北極基幹サーバーを目指し、最短ルートを選択して航行していた。ところが、その経路上には大型のデフテラ領域が存在していた。シマは障害となるデフテラ領域を破壊するため、3機のゼーガペインに出撃命令を下す。ところが、なぜかアルティールのコックピットにカミナギの姿が無い。リチェルカが捜したところ、ウェットダメージを修復するため舞浜サーバー内で眠っていた。どうやらシズノと交わした会話や、キョウとのデートで心に傷を負ってしまったらしい。しかし、カミナギの復帰を待っている時間的余裕はなく、アルティールのウィザードはシズノが担当することとなる。久々のコンビ復活となるキョウとシズノは、そのブランクを感じさせず、敵の迎撃部隊を突破。コア破壊のため、デフテラ領域の中に突入する。
「おかしいわ、この規模のデフテラ領域にしては抵抗が少なすぎる・・・」――難なく侵入できたことに不審を抱くシズノ。キョウはシズノの言葉を気にも留めず、メイン・コアに攻撃を仕掛けようとする。そして、ホロボルト・プレッシャーを起動した直後に、シズノの嫌な予感は的中してしまう。突然、メイン・コアに異変が発生し、自爆し始めたのだ。
▊ 「シズノ」という名前
デフテラ領域の自爆に巻き込まれたアルティールであったが、何とか その巻き添えを回避。不時着することに成功する。しかし、QL不足でオケアノスへ帰還することができず、救援が来るのを待つこととなった。
「あの時も、二人こうして助けを待ってた・・・」という言葉を皮切りに、シズノは前バージョンのキョウとの思い出を語り始める。二人がチームを組んだ最初の戦闘で、アルティールは敵の猛攻撃を受け不時着。二人は今と同じように救援を待つこととなったらしい。そして「イェル」と呼ばれていた彼女に「ミサキ シズノ」という名前を付けたのはキョウ自身であること、キョウが自分からシズノにキスをしたことを打ち明ける。それを聞いた現バージョンのキョウは、顔を真っ赤にして照れまくり、動揺を隠せないようすだ。この後、二人は駆けつけたフリスベルグに無事救助され、恥ずかしい過去の話はここで終了。
▊ シマを襲うドライダメージ
オケアノスではシマとAIたちが、戦闘後のブリーフィングを行っていた。レムレスの分析によると、ここ最近の敵の動きには変化が生じていて、戦線拡大から撤収に向かっているらしい。その情報を受け、ガルズオルム側にも最終作戦が存在していると推測するシマであったが、そんな彼を突然異変が襲う。右腕にドライダメージが発生し始めたのだ。シマは苦痛に顔を歪め、「もう時は・・・止められない」とつぶやき、その場に膝を折る・・・。
☞ カミナギがウェットダメージでアルティールに転送されず、舞浜サーバー内で眠っているという展開は何度見てもニヤニヤできるッス。この緊迫した状況下で、こういったギャグを仕込むのは、いかにも村井さだゆき氏らしいお遊びですな(笑)。オケアノス・クルーを代表しての的確なツッコミお疲れさまです! > ミナト副司令
☞ シズノの回想シーンに、ガルズオルムのハゾンマイヤが登場。「ゼーガペイン ビジュアルファンブック」の解説によると、初期型の戦闘兵器で、現在 地上では見られなくなったそうです。

ハゾンマイヤ
ハゾンマイヤ (Hazonmayer)
アンヴァールとは異なる系統のメカで、全身がミサイルランチャーで構成されている。ガルズオルムではすでに旧式となっている。
背部ユニットは換装可能で、用途に合わせて砲座やミサイルランチャーが装備される。ジフェイタスでも多数配備される。
(ゼーガペイン ビジュアルファンブック」の『OUTLINE OF ZEGAPAIN』から)
☞ 回想シーンの中では、キョウが「みんなが君をイェルと呼ぶのは、幻体幻体って呼んでるのと同じだろ」と言っています。前バージョンのキョウは、その時点でシズノの出自を知ってたってことなんですかね?また、キョウにとって「ミサキシズノ」が大切な名前とのことですが、「ミサキ」の方は最終回(第26話)で明かされておりました。まあそれはともかく、気障なセリフを吐いたり、シズノにさり気なくキスをするキョウちゃんなんて、それこそ「ありえねぇぇぇぇえええええ!!」と叫びたい(笑)
☞ シマのドライダメージの色が黄色になっていました。

ドライダメージ
他の幻体は緑色で、復元者は赤(BS11番宣CMで絶賛ネタバレ中)なので、この黄色はシマが特殊な存在であることを暗示しているのでしょうね。テレ東放映時には、特に気にも留めていませんでした(笑)。
関連記事
■ [アニメ感想] ゼーガペイン - ZEGAPAIN - 第19話 「ラストサパー」■ [アニメ感想] ゼーガペイン - ZEGAPAIN - 第21話 「戦士たち・・・」
■ [レビュー] ゼーガペイン アンソロジー (電撃コミックスEX)
■ [レビュー] ゼーガペイン ドラマCD 「audio drama OUR LAST DAYS」
■ 「アニメージュオリジナル」 vol.7を買ってきた
■ 「ゼーガペイン ビジュアルファンブック」を購入
関連サイト
■ ZEGAPAIN (アニメ公式サイト)■ ゼーガペイン Blu-ray BOX (バンダイビジュアル)
■ アニメ ゼーガペイン (BS11デジタル)
■ あにてれ ゼーガペイン (テレビ東京)
■ ゼーガペイン (Wikipedia)