[アニメ感想] ゼーガペイン - ZEGAPAIN - 第8話 「水の向こう側」
第8話 「水の向こう側」

あらすじ
第8話のあらすじ、主要スタッフはアニメ公式サイトから引用しておきます。
脚本:桶谷 顕 絵コンテ:杉島 邦久 演出:三好 正人 作画監督:松川 哲也(キャラ)、松田 寛(メカ)
数々の苛酷な体験を経て強い虚無感に襲われたキョウは、生きている実感を求めて現実と虚構のはざまで必死にあがいていた。
シマはルーシェンの進言を聞き入れ、そんなキョウが以後の戦力になるか否かを判断するべく試練を与える。現実をしっかりと受け止めさせるため、メイウーとペアを組ませてゼーガペイン・アルティールで現実世界の舞浜サーバーへと向かわせたのだ。
廃墟の高層ビルの地下でキョウが目撃したのは、小さなメモリーユニット。それが自分達の暮らす舞浜サーバーだと知らされたキョウは激しく動揺し、メイウーを残してサーバー内の仮想世界へ戻ってしまう。
ストーリー&感想
今回も前回に引き続き、地味目なんだけど、嬉し恥ずかし青春まっしぐらなお話。制作者側に「主人公と同世代の子たちに共感してほしい」(幡池氏・談※)という思いがあったようだけど、それを具現化したようなベタすぎるぐらいベタなエピソードだった。ただ、それを踏まえた上でこの話を観ると、キョウを熱血バカっぽい高校生にしたのは正解だったと思う。中学生だとシンジ君みたいな自意識過剰な中二病キャラになりそうだし、大学生以上にすると今度は現実的な対応をとり、心の葛藤を描けなくなるからね。
※「アニメージュオリジナル」vol.7のインタビュー記事から。
Aパート

※キャプチャ画像はテレ東で放映された時のものです(以下同様)
この世界の真実を知ってからというもの、心にポッカリと穴が開いてしまったキョウ。断片的に蘇る過去の記憶やカミナギとの水族館デートの件も、彼の虚無感に拍車を掛けていた。この先の戦況を見据えたシマ司令は、ルーシェンの提案を受け入れ、そんな不安定なキョウに対して荒療治を施す決断を下す。その方策とは、キョウを現実世界の舞浜へと向かわせ、あるモノを見せること。そして、それをより効果的に実施するため、アルティールのウィザードにはシズノではなくメイウーが任命された。「失われた者への哀しみと痛み。それを伝えられるのは、故郷を失った哀しみを知る者が適任」との理由からだ。
☞ オケアノス艦橋のシーンで、ルーシェンが「フリスベルグがいつまで使えるとも分からない」と語り、アークに関する伏線をさり気なく張っている。

現実世界の舞浜に転送されたアルティール。廃墟と化した舞浜を再び目の当たりにして、キョウは沈痛な面持ちに・・・。ところが、メイウーはそんなキョウを小馬鹿にしたような口ぶりで煽り始める。更に第4話の一件を持ち出し、キョウを非難。その時は知らなかったとはいえ、自分の迂闊さや過酷な現実を改めて知らしめられるキョウ。
そうこうしてる間に、二人を乗せたアルティールは目的の場所に到着。崩壊しかけたその施設の地下に、キョウに見せたいモノがあるらしい。ただ、ホログラフィー投影範囲から離れると体が消えてしまうということで、メイウーはキョウを件の場所までデータ転送する。キョウの転送先は暗い地下通路で、足下には人間の骸が点在していた。動揺したキョウは通路を一気に駆け抜け、行き止まりとなった広い空間に辿り着く。そこに在ったのは「MAIHAMA」と刻印されたサーバーの筐体だった。
目の前の小さな装置が、自分の暮らしている仮想世界を作り出しているという事実。キョウの感情はそれを認めることを許さない。「だったら試しに壊してみる?あなたの街も お友達も消えるから」―現実を直視しないキョウに向かい、メイウーが厳しい言葉を浴びせる。キョウはその言葉に反発するも、いたたまれなくなり、オケアノスへ強制転送。アルティールのコックピットにはメイウーが一人残されたが、そんな中、敵の一群が襲来する・・・。
☞ このシーンの見所は舞浜サーバーよりもドSなセリフを連発するメイウー。キョウを淡々となじる、やや棒読みの牧野ボイスにゾクゾクした。(*´Д`*)

舞浜サーバーの研究施設
☞ キョウの発言によれば、舞浜サーバーが設置されていた建物は、彼が生きていた頃の舞浜市には存在していなかったらしい。しかし、物語のプロローグを描いたドラマCD ゼーガペイン audio drama OUR LAST DAYS[AA]のEPISODE3 「our last days」には幻体になる前のキョウが登場し、施設の地下にある舞浜サーバーも出てくる。つまり、今回のキョウの発言(記憶)とは矛盾することになる。一方、この施設の目的や規模を考えると、キョウの死後に地上部分を建築したものとも思えない。ということで、キョウの記憶障害の可能性が高そう。
Bパート

上空に飛来したゴーネの編隊はアルティールを急襲。ルーシェンが支援に出ようとしたところ、ガルダはセットアップ未完了。代わりに、クリスとアークのフリスベルグが出撃することになった。一方、オケアノスに戻ったキョウは、ミナトやシズノの制止を聞かず、仮想現実の世界へ逃避してしまった。
キョウが目覚めると、そこは舞浜南高校・保健室のベッドの上。すぐ横では、担任のクラシゲと保健医のミズサワが仲良さげにしていた。この世界の真実を知らず呑気に過ごしているクラシゲを見て、キョウは つい八つ当たりをしてしまう。ところが、クラシゲは「お前は人を好きになったことは無いか?」と逆に問いただし、意表を突かれたキョウの脳裏にはカミナギの姿が思い浮かぶ・・・。
「生きてもいねぇ人間が恋だの愛だの!」―そんな憤りに駆られ、保健室を飛び出したキョウ。カミナギの姿には気づかず、行く宛もなく走り始め、その途中でハヤセとばったり遭遇する。ハヤセは水泳部への入部をほのめかし、ここ最近プールに来ていないキョウを諌めるが、キョウは心此処にあらず。窓に映し出されたオケアノスの戦闘が気になるようすだ。理由が分からないハヤセは そんなキョウを見て呆れるが、その直後、キョウのケータイにカミナギからのメールが着信する。
07/05 14:35
From : カミナギ
件名 :キョウちゃんのバカ
=================
本文 :
・・・・・・・・・
ゴメンネ
カミナギからの温かくもストレートなメッセージを読み、更にハヤセの平手打ちを喰らったキョウは、ついに我を取り戻してオケアノスへと向かう。
☞ ディータがアークの幻体データのダメージについて触れていて、D値がマイナス18、W値がマイナス26とのこと。戦闘中、アークが海をぼんやり眺めるシーンがあるが、W値の深刻さを暗示しているようだ。

キョウはアルティールのコックピットに戻り、これまでのことをメイウーに謝罪。そして、装甲の厚いゴーネに対抗する新たな戦法を生み出す。それは、ホロニックランチャーで海面を撃ち、海水のカーテンを作り、敵がその中に飛び込んだところをホロニックブレードでぶった斬るというもの。その戦い方を見たルーシェンのガルダも、同様の戦法で次々とゴーネを破壊し、不利な戦況を打破することに成功する。こうして敵を殲滅し仮想世界に戻ったキョウは、カミナギのケータイに短くも彼らしいメールを返信するのであった・・・。
07/05 21:32
To : カミナギ
件名 : Re; キョウちゃんのバカ
=================
本文 :
・・・・・・・・・
オレって
マジ
バカかも・・・
☞ アルティールに戻ってきたキョウが新戦法を披露した描写なんだけど、ファーストガンダムの第9話「翔べ!ガンダム」を思い出したよ。ガンダムのフラウ&ブライトのセリフをカミナギ&シマに喋らせると、こんな感じ(笑)
カミナギ「シマ司令、キ、キョウちゃんが あんな戦い方をしている!」
シマ司令「ああ、あいつのいいところだ。ふさぎこんでいても、戦いのことを忘れちゃいなかった」
カミナギ「ええ・・・キョウちゃん、強くなったわね」
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関連サイト
■ ZEGAPAIN (アニメ公式サイト)■ アニメ ゼーガペイン (BS11デジタル)
■ あにてれ ゼーガペイン (テレビ東京)
■ ゼーガペイン (Wikipedia)
■ 「東京国際アニメフェア2010」レポート【イベント編】-ゼーガペインやガンダム00、四畳半神話大系など (Impress AV Watch)