[アニメ感想] Phantom~Requiem for the Phantom~ 第3話 「実践」
第3話 「実践」
アニメや原作ゲームの内容に触れています。未見、未プレイの方はご注意ください。
あらすじ
第3話のあらすじはテレビ東京・あにてれ Phantom~Requiem for the Phantom~から引用しておきます。
「決められたコースでも、君が望み、努力する限りどこまでだって加速して行ける」
クロウディアの言葉は、ただ組織の人形の様に生きていくしかないと思っていたツヴァイの心に一筋の光明を与える。訓練を重ね、ツヴァイはアインによって暗殺者として着々と仕上げられて行った。サイス=マスターの思惑通りに・・・。しかし、まだ心までは、暗殺者に成り切れないツヴァイ。実際に彼に人が撃てるのか・・・。
だが、そんな彼の心にかまわず任務は下される。内容は実戦での試験。相手はアメリカ海軍のウォレス大尉。助命をエサに戦わされる組織にとって用済みの協力者だった。
突然の事に動揺し喚き立てるツヴァイにアインは、冷たく銃口を向ける。
「もう一度だけ、選ばせてあげるわ。すべて受け入れて生き残るか、それとも拒んで死ぬか・・・・・・」
感想
第3話の感想も原作ゲーム(PC版、PS2版)との比較を中心に書きます。ストーリー解説は割愛させていただきます。
Aパート

Aパート
今回のAパートおよびBパートは、原作ゲームの第1章「廃工場」パートの終盤がベースになっています。Aパートに関しては、セリフ回しも含めてほぼ原作通りの展開です。
クロウディア邸
冒頭、ツヴァイのパスポートを見つめるクロウディアが描かれていますが、これはゲームの選択肢「クロウディアを呼び止める」を選んだ場合に出て来るシーンです。前回も選択肢絡みの描写がありましたが、これは今後クロウディアの過去を描くための伏線と思われます。それと、リズィの来訪もゲームと同じですが、会話の中に出て来るメキシコ出張の件はアニメオリジナルです。
ナイフコンバット
アインとツヴァイが荒野でナイフ(クリスリーブ プロジェクト II)を使った訓練をしていますが、この描写は一部原作ゲームとは異なります。ゲームのツヴァイが使っているナイフには、刃に厚手の布がぐるぐる巻かれています。そして、その刃でアインの身体に触れたらその日の訓練は終わりというルールでナイフコンバットの訓練が行われます。アニメではその課程を修了し、より実践に近い形式に進んだと見るのが妥当ですね。
アインがツヴァイを背負い投げしようとして、逆に羽交い締めにされる描写はゲーム通りです。ただ、ゲームでは、ツヴァイがアインの髪の香りや華奢な身体に少し(;´Д`)ハァハァして、アインから「何を考えていたの?」と突っ込まれるのですがw
メキシコ
メキシコが舞台となっているシーンは全てアニメオリジナル。インフェルノの協力者=ウォレス大尉が、FBI捜査官にマークされていることを暗に描いたものと思われます。FBI捜査官を射殺したのは、おそらくリズィなのでしょう。
廃工場の一室
ツヴァイが雑誌やラジオ番組で英語の勉強をしていますが、これはゲームの中に登場する訓練の一つです。また、アインが上半身裸で着替えていますが、この部分はアニメオリジナルのサービスシーン。アインたんの横乳に(;´Д`)ハァハァ
サイス邸
サイスがオートマグの手入れをしている描写は原作ゲームと同じ。ただ、原作のサイスはオートマグに関するウンチクをたれまくるんだけど、アニメでは華麗にスルーされていました。いかにも説明口調のセリフなので、くどくなると判断されたのでしょう。
オートマグの手入れが終わった後、アインが呼ばれて全裸にされ、ガンオイルを塗りたくられていましたが、これは18禁画像のあるPC版と同じ。PC版ではサイスがアインの肌に舌を這わすのですが、さすがにそれはカットされていましたけど・・・。一方、PS2版では全裸にはならず下着(スリップ)姿で、特に体を撫で回されてはいません。なお、オートマグをアインに握らせる描写はPC版、PS2版共通です。なぜ握らせたのかは、サイスの側に何か裏設定があるのでしょう(性的な意味でw)。
廃工場に戻ったアインが青い車に乗っていましたが、これはゲーム第1章の中盤あたりに登場する型遅れのフォルクスワーゲン=ゴルフと思われます。
インフェルノ本部
ウォレス大尉が逃亡ルートの確保をするため、クロウディアとサイスに直談判しているシーン。この描写自体はゲームにもありますが、ゲームでウォレス大尉を応対しているのはサイス一人です。
廃工場の武器庫
ツヴァイが使用する銃を選ぶシーン。アインが「一番使い慣れた銃を選んで」というくだりはゲームと一緒です。

武器庫の拳銃
アニメのツヴァイはコルトガバメント他を選んだようですが、選択できる拳銃はゲームより多くなっていますね。どの銃も作画がかなり微妙ですが、とりあえず適当に鑑定しておきますw
(2009年4月20日更新)とおりすがりさんからいただいた情報で、一部修正しました。
① | 特殊形状のグリップがあるのでベレッタ M93R。 |
② | |
③ | 全体の形状とグリップ中央部にあるエンブレムからベレッタ M92FS。 |
④ | 既に何度も登場しているコルト ガバメント。 |
⑤ | 最初、ゲームにも登場しているシグザウアー P226と思ったけど、Bパートの絵を見るとプラグ・ガイドの形状が違うのでシグ・ザウアー・プロシリーズのどれか。 |
⑥ | |
⑦ | スライド部にある縦に刻まれた溝、一体化されたハンマー、グリップの形状からするとトカレフTT-33か? |
ちなみに、ゲームのこの場面で選べる銃はデザートイーグル、コルトパイソン、ベレッタM92FSの3種類です。また、小説版「ファントム―アイン (角川スニーカー文庫)」[AA]のツヴァイは、試験という言葉に不安を覚えて、最強の破壊力を誇るデザートイーグルを選択しています。
Bパート

Bパート
Bパートは冒頭部こそ原作ゲーム準拠ですが、ツヴァイとウォレス大尉の対決シーン以降は大きく異なります。
廃工場の入り口
クロウディアがウォレス大尉に最期通告し、サイスが10分間の猶予を与えるくだりは原作通り。ツヴァイが動揺し、アインが銃をつきつける描写もゲームそのままです。
ツヴァイ vs ウォレス大尉
アニメのツヴァイはウォレス大尉の反撃を食らって手傷を負い、接近戦で何とか仕留めることができました。それに対して、ゲームのツヴァイはかなり冷静に状況を判断し、フォークリフトの陰に潜んでいた大尉をたった1発で射殺しています。ゲームはツヴァイの状況判断力の高さを淡々と描いているのですが、アニメでそのままやるとかなり地味な描写になりますから、意識的に変更したのでしょうね。
この変更については、原作をプレイした人の中には賛否両論があると思われますが、自分の場合は一長一短かなぁ。ウォレス大尉は現役のSEALs隊員であるという設定を生かし、反撃させた点はGood。しかし、余裕をかまして説教をたれる詰めの甘さはいかがなものかと。あと、第1話にもあったけど、ピンチに陥ったツヴァイが覚醒(種割れ)し、超人的なスキルを発揮する点もなんだかな~って感じです。
上記の変更に連動して、アインの戦況分析も微妙に異なります。「状況は五分五分」と推定するところは一緒なのですが、ゲームのアインは「訓練の密度ではツヴァイの方が上」とか「ツヴァイは地形を熟知している」など、ツヴァイの側に有利な点があることにも言及しています。あと所要時間は「15分前後」であることも。

ウォレス大尉の銃(左:ベレッタM92FS?/中・右:シグ・ザウアー・プロ?)
ウォレス大尉が武器庫から調達した銃。さすが現役のSEALs隊員らしく、こちらも日頃使い慣れた銃(ベレッタM92FS)や、それに近い銃(シグ・ザウアー・プロ)を選んでいたようです。
インフェルノの一員に
初めて殺人を犯し、苦しんでいるツヴァイに対してアインが長々と囁きかけますが、このセリフはゲームのテキストと同じです。ただし、虚ろなツヴァイの感情を断ち切るために、アインがとった行動が異なっています。アニメのアインがいったんツヴァイに銃口を向けた後、真横に実弾を発砲しているのに対し、ゲームのアインはツヴァイのこめかみに銃口を押し付け、トリガーを引いています。その際、銃に弾丸が装填されていないので、ハンマーが倒れた際の「カチッ」という音しか鳴りません。発射されなかったその弾丸がツヴァイの過去を完全に断ち切り、暗殺者としての第2の人生のスタートを暗示していたわけですが、何でアニメでは変えたんだろう?発砲音が無いと演出的に地味だからとか?アニメの方も別に悪くはないんだけど、個人的にけっこう好きな描写だったのでちょっと残念かも。
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関連サイト
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■ 月刊コミックアライブ オフィシャルサイト (メディアファクトリー公式)
■ ファントムシリーズ (ニトロプラス公式)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (DVD VIDEO GAME公式/デジターボ)
■ ファントム-PHANTOM OF INFERNO- (PS2版公式/プリンセスソフト)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (Wikipedia)
■ ファントム -PHANTOM OF INFERNO- シリーズ 銃火器データベース (MEDIAGUN DATABASE)
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